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熊本空港から車で2時間半、天草五橋を始め島伝いに渡っていき、自然に囲まれた海岸の見える場所に天草酒造はあります。 熊本県の蔵元には珍しい、芋焼酎「池の露」で創業。天草という土地柄、鹿児島の影響を強く受けているため、米焼酎ではなく芋焼酎なのです。時代の流れとともに、個性的な芋焼酎よりすっきりとした米焼酎が重宝され、一時は芋焼酎の製造を中止。 その後、地元の消費が減り続ける中、東京の市場に向け麦焼酎「天草」造りを始める。次第に原料香豊かな本格焼酎が見直されてきて、平成18年に26年の歳月を経て芋焼酎「池の露」が復活。 一般的な麹箱(酒造りの道具)は杉で造られますが、天草酒造の麹箱の底面は竹で組まれています。私自身、このような箱の存在を初めて知り大変驚きました。 平下さん曰く、気温の高く、海に接している湿度の高い環境下で、いかに風通しを良くして麹の品質を上げるかということを考えると、杉よりも竹を使ったほうが風通しが良いのだと思うとのこと。 蒸留へのこだわりが品質を決める 普通の蒸留器だけでなく、チンタラ蒸留器(兜窯式蒸留器)を使っているからこそ蒸留の大切さを肌で感じるのだそうです。 いくら良い麹を造って良い醪を造っても、蒸留の質でその焼酎の品質が決まる。というほど、それまでの工程を良くも悪くもするのは蒸留という考えを持っています。 通常の蒸留器は醪のアルコールの90%程を収得(製品化)できるが、チンタラ蒸留器は60%ほどしか取れません。それほど熱交換率は悪いが、この蒸留器でしか出せない味わいがあるので使っています。
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