泉橋酒造

創業は江戸安政４年（1857年）。 県内有数の穀倉地帯である海老名耕地（えびなごうち）に蔵を構え、地元の農業と共に潤沢な米と丹沢山系の伏流水という２つの恵みを生かした酒造りを始めました。
海老名耕地は、8世紀には相模國の国分寺も建立された古代からの穀倉地帯。古より受け継がれた酒造りの伝統を次の世代へとさらに手渡すことを夢見て「栽培醸造蔵」として活動。栽培醸造蔵とは、日本酒は醸造物であるだけではなく、農業副産物であると考え、米作りから酒造りを実践していく酒蔵です。

社名にもなっている「いづみ橋（泉橋）」の由来は、田んぼの用水路としての役目を果たしていた泉川が関係しており、屋号が「橋場（はしば）」だったことから、泉川＋橋場＝泉橋となったそうです。その後、泉川は昭和５年から１０年の歳月を掛けて行われた土地改良事業によってまっすぐな用水路に姿を変え、消えてしまいました。

泉橋酒造は、「酒造りは米作りから」の信念のもと、全国でも珍しい「栽培醸造蔵」として酒米栽培から精米・醸造まで一貫して行っています。 収穫されたお米も、蔵で所有する乾燥機で玄米の水分量を調整し、自家精米の工程に入ります。
農家さんでも乾燥機をもっていない所もあるなか、求める品質のために必要なこと。 天日干ししても良いのだが、天候が悪いとムラができてしまったりするため、安定して作業を行えることもメリットなのだそうです。
精米も扁平精米といって原料をより効率的に利用できるようにしています。

泉橋のシンボル「トンボマーク」

お酒は口に入るものなので、安全で安心できるお酒を醸す為、減農薬栽培や無農薬栽培にも取り組んでいます。 農薬の使用量を減らすことで動植物が増えるとともに、お米の収穫期である秋の空にはたくさんの赤トンボが飛び交う景色をつくるために、赤トンボをシンボルとして掲げています。 またトンボの子供はヤゴ、そのヤゴは田んぼで成育するため、夏の季節商品にはヤゴをラベルにあしらった「夏ヤゴ」も発売し、人気を博しています。

麹は全量を麹蓋で製麹。麹蓋が大量にある理由は使用した後に洗ってから次の仕込みに使う為！
手間と時間を掛けて丁寧な麹造りをしています。また、麹蓋にもトンボマークが焼き印されており、愛着をもって道具を扱うという気持ちが伝わってきました。

搾りは２台の佐瀬式の槽で丁寧に行われます。
以前はヤブタを使っていたようですが、現在は槽搾りのみ。