白杉酒造

白杉酒造のある丹後地区は、数あるコシヒカリの産地の中でも、食味ランキングの最高位である特Aを西日本で最多の獲得地として人気があります。
そんな素晴らしいお米で美味しい酒を造りたい！と、全量食用米で酒造りを始めたのが11代目の白杉悟さん。
以前は但馬杜氏を招いて製造していましたが、悟さんが2007年から蔵元杜氏としてスタート。当時は酒造好適米の｢祝（いわい）」での酒造りを始めましたが、契約農家さんが種籾を仕入れることが出来なくなったため、これを機に丹後産のコシヒカリでの酒造りにシフト。2015年から全量を食用米で醸すようになりました。

綺麗で透明感があるだけではない、お米の旨みを感じられるお酒を目指して

お酒造りには一般的に「酒造好適米（しゅぞうこうてきまい）」という、お酒造りに向いたお米を用いることが多いのですが、これは雑味の原因になりうるタンパク質や脂質が少なく、麹造りをしやすいようにさばけが良く粘り気の少ないことが条件になってきます。

一方、食べるお米は粘り気があるほうが美味しいとされるため、一般的には酒造りには向かないとされています。
しかしこれはあくまで一般的な話であって、工夫次第では美味しいお酒にすることができるということを、実際にやられているのが白杉酒造です。

美味さの要因の一つがお米の栽培方法！

与える肥料を極力少なくし、酒造りに向くようなコシヒカリを栽培しています。肥料を多く与えすぎると、酒米でもタンパク質が多くなってしまうため、酒造好適米だからといって必ずしも良いとは言えないとのこと。
良いお米は蒸しあがった時に本当に美味しそうな香りで、そうでないお米は全然違う香りがするそうです！
お米は手洗い、掛米も全て手作業で運びます。
製麹もコシヒカリに合わせた造り方をし、発酵中も極力手を加えずに酵母に任せます。

搾ってからは速やかに瓶詰を行うため、仕込みは一週間に１本と余裕を持って仕込んでいます。良いときに搾ってフレッシュな状態のまま瓶詰め。瓶詰は全て手詰めで、３人体制の流れ作業で行います。
熟成感が欲しいものは蛇燗で火入れをしますが、基本的には瓶燗火入れ。

コシヒカリのほかに、ササニシキ、ミルキークイーン、もりのくまさんなど、様々な食用米にチャレンジもしています。